カーボンニュートラルへの取り組みのための意見交換会

カーボンニュートラルに向けた取り組みをテーマとした意見交換会を開催いたしました。今回は、環境問題に積極的な企業や団体等で活躍されておられる皆様に参加していただきました。環境問題に対して多方面で活躍される有識者の皆様にお集まりいただくことで新たなネットワークを形成し、将来の具体的な行動に繋げるとともに社会への情報発信を積極的に行っていくことを目標としています。

カーボンニュートラル社会に向けた意見交換会

今回は、大手家電流通協会が所在する丸の内トラストタワーにあるサーブコープの会議室を会場とし、遠方の参加者様にはオンラインにてご参加いただけるようハイブリッド形式にて開催いたしました。

主な参加者様とコメントのご紹介

環境省 地球環境局 デコ活応援隊 隊長補佐 中村様

環境省では、新国民運動、「デコ活」を推進している。「デコ活」では、暮らしの10年後の絵姿を示し、生活がより豊かに、より自分らしく快適・健康で、そして2030年温室効果ガス削減目標も同時に達成する「新しい豊かな暮らし」を提案しており、具体的には、多様で快適な働き方・暮らし方の後押し、脱炭素につながる製品やサービスの提供・提案、インセンティブや効果的な情報発信での行動変容の後押し、地域独自の暮らし方の提案等を、官民連携協議会(デコ活応援団)を立ち上げ展開している。さらに、社会実装型の消費者・国民の行動変容を促す事業創出にも注力しており、新しい補助金を設置するなど「デコ活」を冠した組織・制度・予算で国民の行動変容、ライフスタイル転換促進に取り組んでいる。

東京都環境局 気候変動対策部家庭エネルギー対策課長 東條様

東京都環境局では、対象の省エネ家電等に買い替えた都民に対して東京ゼロエミポイントを付与し、省エネ家電への買替えを促進する施策を行っている。本事業については、申請時の案内や書類手続き時のフォローなど、家電店の協力を得ながら更なる普及を目指して取り組んでおり、本年10月からは、店舗での直接値引き方式の採用、製造年から15年以上経過したエアコンや冷蔵庫からの買替え時のポイントの上乗せ、高効率な家電の購入支援など、事業内容を拡充する予定。

シティラボ東京 ディレクター 平井様

シティラボ東京では、東京建物と我々が都市計画のプランナーとしてサスティナビ

リティビジネスを街に埋め込んでいくことでサステナブルシティをつくっていこうという取り組みを行っており、そのためのコラボレーションの場を提供している。具体的な活動としては、会員制のコワーキングスペースと貸会議室の運営、トークセッション等も行っている。このようなアウトプットを通していかにサステナブルシティを考えネットワークを広げコラボレーションを生んでいる。

東京建物 まちづくり推進部 赤石様

東京建物では、ディベロッパーとして社会や地域に与える影響は大きいと考え、脱炭素も含めた社会的課題に注目し「社会課題解決型のまちづくり」に取り組んでいる。例えば、東京スクエアガーデンでは、約3,000㎡におよぶ大規模な緑化空間の形成や、日射を軽減する大庇などをはじめとした様々な省CO2技術を導入をしている環境配慮型ビルとなっている。また、全国で開発・展開している物流施設「T-LOGI」では、屋根に太陽光パネルを設置し、太陽光発電によって意図的に創出した余剰電力(再エネ余剰電力)を、自己託送制度の活用により、東京建物の首都圏の商業施設や都心部のビルへ直接融通し、脱炭素化を推進している。

株式会社ゼロボード 営業本部第1エンタープライズ営業部長 片山様

ゼロボードは、企業の温室効果ガス(GHG)排出量の見える化するためのクラウドサービス「Zeroboard」の提供や専門家によるコンサルティング業務などを事業の中心としている。2025年に開催する日本国際博覧会(大阪・関西万博)における温室効果ガス(GHG)の排出量を算定・可視化するための公式ツールとして「Zeroboard」を提供することが決定。2023年の建設から2026年に終了するまでの期間を可視化・モニタリングし、万博におけるカーボンニュートラルの実現を支援している。

消費者とのつながり

参加する各団体・企業様からのプレゼンを終え、最後に、一般社団法人消費者市民社会をつくる会(アスコン) 代表理事 阿南久様からコメントを頂戴いたしました。

一般社団法人消費者市民社会をつくる会(アスコン) 代表理事 阿南久様

これまで理事として生活協同組合(生協)の活動や消費者庁長官として消費者行政に携わってきたが、生協では以前から牛乳パックのリサイクルやレジ袋の削減など継続的に取り組んでおり、消費者にとって環境への問題意識は馴染みのあるテーマ。いかにその本質を掴んだ取り組みにしていくことができるか、また消費者の目に見えるかたちで情報発信していくことが大事になってくるだろう。

次回は、環境問題に取り組む企業やスタートアップコミュニティとの連携を視野にこの研究会ができることを考えます。